女子大学生日記

呼吸と幸せと

非常

 

 

 

 

 

足の爪は手の爪を切るより頻度が少ない

 

 

足の爪は手の爪より伸びるのが遅いから

 

 

(これは正確なのかどうか分からないし、正しいとしても理由は知らないが私の人生経験がそう言っている)

 

だから一度思い立って足の爪を切ると、これでしばらくは大丈夫。と安心してしまうのだ。

 

 

そうして本当にしばらくしてしまう。

 

 

手の爪が伸びそして切っても、足の爪はまだ切るには至らん。となる。

 

 

そうして足の爪を切るのは疎かになりがちになる。

 

 

しかしふとした時に、おお!こんなに伸びている!切らねば!切りたい!となる。それは例えば風呂場で思い出しても、風呂場をでた後は既に爪のことなど忘れていることが多いので、珍しく忘れなかった時に初めて切るにまで至ることができる。

 

そうして忘れられながら伸びに伸びた足の、特に親指の爪は、手の爪より丈夫に強く、硬い。そして切る時には、より爪切りで切りきる感覚が明確だ。

 

手の爪はネイルを楽しむためや、なんとなく短すぎるのは子供っぽいと思って少しだけ長さを残して切るのだが、足の爪に至っては、もうピンクしか残らないまで切りたい。

 

伸び切った爪だからこそ、一気にそこまで切るのが気持ちいい。 

 

 

なんなら足取りが軽やかになりそうなくらい気持ちいい。

 

 

 

 

 

しかし足の爪を切るのには、ひとつ我慢することがある

 

それは、親指の爪の両端は切りきらないである程度残し、つまり真っ直ぐに切るということ。

 

 

これは巻き爪防止策である。

 

 

昔、中学生くらいの頃、私が足の親指の爪を端までしっかり切っていると、それを見た姉が、

 端まで切ると巻き爪になる。巻き爪は酷くなると手術せねばならない。だから親指の両端だけは、絶対に残すべし。

という主旨で姉に脅されたことがあり、手術という恐ろしいワードは案の定私の脳裏に焼き付いた。

 

それ以来巻き爪が怖くて、今も恐れている。

足の親指の爪は両端を残し平らに真っ直ぐ切ることにした。

 

 

いや、これがなかなかできなかった。

 

 

 

三回に一回、いや二回に一回くらいは、やはり端までしっかり切っていた。切ってしまっている。

 

だから若干だが、巻き爪が進行している気がしている。

 

恐ろしい。

 

 

はあ。

 

 

伸び切った親指の爪は、他の指の爪に比べてやはり切りがいのある爪だというのに、 

 

切りきった喜びがさらに増大するというのに、

 

それを知っているのに、

 

親指の爪の両端は残して親指の爪は真っ直ぐに切るなんて、、

 

そうしないと巻き爪の恐れがあるなんて、、、

 

 

 

 

これがわたしの日常へ、非常としてやってくる葛藤と我慢だ。

 

 

 

そしてそれが、結構好き。

 

 

 

 

葛藤し、たまに我慢して、たまに我慢できない。

 

 

 

 

 

先の尖ったショートブーツを履いて外出した今日。

 

足先がチクっとして

 

あ、爪だ。

 

爪が伸びて他の指に食い込んでる。

 

 

 

そんな思い出し方をしたのは初めてだったので、家に帰ってもお風呂に入っても、忘れなかった。

 

 

 

 

今日は、我慢できた日。

 

 

 

巻き爪はきっとこれからもずっと、恐ろしい。